極私的RSRレポート

ある友人に提出を約束していたものです。
レポートと言いながら客観性は皆無。
しかも異常に長い。暇で暇で仕方ない人だけどうぞ。


RISING SUN ROCK FESTIBAL in EZO。
この国内最大ともいえるROCK FES.に参加するのは3回目である。RSR自体は今年で7回目であり、去年まではかなりの好天に恵まれていた(らしい)。しかし今回は生憎の雨が予想されており、実際出発の時から小雨が降っていた。屋外であることに加え、音楽とともに朝日を迎えるという趣旨のイベントであるが故、RSRにとって雨は最大の敵であるといえる。
必ず晴れる、と半ば無理やりに信じることにして家を出た。
★1日目
今年の僕らのグループは総勢11名の大所帯。数個の小グループが現地集合するのでこうなってしまうのだ。前回は会場内テントサイトを6面取って参加した僕らだったが、今回は会場内のチケットは抽選ということで2面しか取れなかった。毎年のことだけれど、会場内テントサイトの競争率は高すぎる。しかも年々激しくなっているのだ。どうにかならないものか…。
とまあ、これでは当然テントが足りるはずもない。一旦自宅へ帰る人、仕事の都合もあり2日目から参加する人もいるということだったが、僕は最寄の宿である『番屋の宿』に泊まることにしていた。雨に加え、初めての『宿』宿泊。多分に不安はあったが、それでもRSRに参加するのが楽しみで仕方なかった。
車で約2時間。もうすっかり馴染んだ景色が広がる。会場は近い。それらしい車を見かけるだけで気分は高まってくる。駐車場に車をいれ、いよいよ会場へ。今年は宿に泊まるので荷物がほとんどない。なんて快適なんだろう、と驚いた。さらにテントの場所取りも必要ないため、少し遅めの到着になり並ばずに入ることもできた。
まずはテントをたて始めている現地メンバと合流し、テント設営。1発目の怒髪天までグッズの買いだしに行く。

そう、1発目は怒髪天なのだ。
なんといっても上手い。演奏だけじゃない、MCもパフォーマンスも最高だ。まさにオープニングには相応しい。観客を一瞬にしてFES.の空気にのせてしまう。ラストには『テントの中にいるやつを引きずり出そうっ』といってステージを降り、GREEN OASISの一番後ろからテントサイトに向かって歌った増子兄ぃ。観客は一気に兄ぃのほうへ押し寄せた(割と後ろの方で観ていた僕は、その波にのって兄ぃの傍1mくらいまで行けてしまった)。『悪いけど、1発目から優勝だね』とは増子兄ぃの言葉だが、本当にそう思えたのだ。
それからTHE BAND HAS NO NAME。それまで一度も聴いたことはなかったけれど、奥田民生は好きだから、それなりに期待していた。EARTH TENTの真ん中よりも後ろ、というくらいでゆっくり聴いていたのだが、なんとも心地よいあの音、あの声。流石に実力派だ、と感じる。あれは癖になりそうだ。
そしてSUN STAGEでFIRE BALL with JUNGLE ROOTS。もちろん僕も聴くけれど、これは基本的に連れの趣味。でもレゲエのリズムを生で感じられたのはよかった。(僕もタオル振り回したりして/笑)
その終盤からLOSALIOSに備えて前へ前へ。なんと言ってもこれが僕の1日目のメインである。背の小さい僕は良く観ようと思えば思いきり前か後で観るしかないのだ。
登場の瞬間、客席からのコール。僕は上手く真ん中2列目に収まれてしっかりメンバも見えた。ただ左右のスクリーンがあまり見えなくなったのは残念だった。なぜかと言うと、今回ステージの映像ではなくIV的な映像が流れていたのだ。争う犬達、闘う男達。『生きている』『一撃』といった言葉。僕のいたところからではよく確認できなかったが、LOSALIOSのイメージとどこか違っていて、逆にそのギャップこそがひどく合っているように思えた。
もちろん演奏はとても良かった。僕的三大ベーシストの一人であるTOKIEと、愛してやまないドラマーの中村達也。ベースとドラムだけでああも華やかな音が作り出せるのかと驚かされる。彼らの音はなぜか僕に赤紫色の激しい照明を思わせる。達也さんのシンバルが欠けていたのがLOSALIOSを象徴しているかのような気がした。
そのまま最前列でBOOM BOOM SATELLITES。本当は最後まで観たかったのだが、時間の都合で2曲だけ。元々僕もよく知っているわけではない。ただ『DIVE FOR YOU』が大好きなのだ。なんと2曲目にそれをやってくれたものだから僕は大満足だった。LIVEだと彼らの激しさと疾走感はさらに増す。身体ごと呑み込まれて行く感覚。ふと最近こういう音楽をよく聴いていると気付いた。(同じジャンルなのかわからないけど)毎日downyを聴いているくらいだ。これからもっといろいろ聴いてみたい、と思うステージだった。
帰りがけにはRED STAR FIELDであふりらんぽSONIC YOUTHの前座をしたこともあるという彼女達2人の、とても2人とは思えないエネルギッシュな音を聴いて、1日目は終了。

…したのだけれど、それからが大変だった。降っては止みを繰り返していた雨があふりらんぽくらいからまた降り始め、少しあとには豪雨になったのだ。僕らはまさに駐車場へ歩いているところ。ポケットレインコートでも太刀打ちできない。すぐにずぶぬれになり、そのまま雷の中を宿へ。まばらな街灯に加え、タイヤが跳ねかえす雨で前がろくに見えない。あぁ事故んなくてよかった。

★2日目
疲労による泥のような眠りから覚めると、意外にもそれなりの晴れ。朝日を祈りながら宿をでた。
…ら、偶然高校時代の先生2人や友人に会うなどのサプライズのありつつ、2日目はゆっくりめのスタート。連れの大好きなフジファブリックから。最初の一音からEARTH TENTがフジの色になる。LIVEの技術がいまいちかな…と思いながらも、僕はしっかりのれてしまった。なんといっても心地よい。きらきら。新曲、僕は好きです。
それからすぐにrei harakamiへ。初めてMOON CIRCUSに行く。くるりUA矢野顕子、巡礼などのリミックスやプログラミングをした人、という認識しか僕はもっていなかった。rei harakamiとしては初めてだったけれど、流石に身体に馴染んだ音だった。うん、文句無しに格好良い。

その帰りである。なんと増子兄ぃに遭遇である。酔っ払いまくって鮭とば持って歩いていたのである。同行メンバーが遭遇した話を聞いていたのでもしかしたら、とは思っていた。まさか本当に鮭とば持ってるとは…。北海道人の兄ぃだ、駒大優勝の話で盛り上がってしまった。兄ぃ、写真にサイン、本当にありがとうでした。

BREAK TIMEにはSUN STAGEでフィッシュマンズ原田郁子UA永積タカシ忌野清志郎…という豪華なゲストとともに彼らが作り出した音は、SUN STAGEそしてテントサイトを気持ち良い空気でくれた気がする。
しばしの休憩を挟んでまたSUN STAGEへ。僕の今年のメイン、ROSOO→SHERBETSに向けてTHE HIGH-LOWSの後半から突入した。HIGH-LOWSでぶっ飛んでる人達の間を抜けて前へ前へ。なんとかモッシュピットの後ろの方に入る。HIGH-ROWSが終わった瞬間突っ込んで、しっかり真中3列目確保。ROSSOの登場を待っていると…花火があがった。
そう、RSRでは2日目の夜、SUN STAGEに向かって左の方向から花火が上がるのが恒例なのだ。隣りの女の子が『赤い花火がROSOOの薔薇に見える』と呟いていた。全く僕もそう思う。夏の夜空に捧げられた赤い薔薇。なんて相応しいんだ。
応える様にROSSOはやってくれた。いきなり『サキソフォン・ベイビー』でとばしてくれる。そうなったらもう止まらない。4人の音と一緒に最後まで一気に駆け抜けた。右と後からどれだけ押されて痛くても、そんなことはどうでもいい。ただひたすら頂点を目指すだけ。照井さんの静かとも言えるプレイの中にROSSOの熱源を見たように思う。
勢いづいたそのままにSHERBETS。僕は半ば無理矢理最前列へ(『ベンジー命』Tシャツの子、ごめんね/笑)。なぜかPAの間から緊張してしまう。と、オープニングの曲がかかって、ベンジーが…
――もうなにもかもわからない。
覚えているのはベンジーが、ベンジーの音が格好良かったこと。しっとりめの曲が多かったけれど、僕はそれもSHERBETSの魅力だと思っている。ただ前過ぎて福士さんのキーボードがあまり聴けなかったけれど、それでもいい、とにかくベンジーに近づきたかった。一瞬一瞬の表情までも忘れられない。眩しすぎるほどの照明の中に立つベンジーの姿は僕の目に今でも鮮やかに蘇る。
『またどっかで会おうぜ』…そうさベンジー、10月にまた渋谷で会おうぜ。
…とそこで予想通り体力の限界が見え始めたので一旦休憩。というか服がびしょびしょだったので着替え、SUNSTAGEの忌野清志郎を聴きながら洗濯へ。『キヨシです…最近子供が口をきいてくれません』忌野清志郎、上手すぎです。
そうこうしてるうちにASIAN KUNG-HU GENERATIONが始まったのでだらだらSUNSTAGEに向かう。やっぱり集客力は凄い。去年よりはライブも上手くなったと思う。あの力加減は独特のものなのだろう。
そして眠気に負けそうな午前2時、CRAZY KEN BANDの登場。僕は『魂拳』でしっかりはまったばかりなのでとても楽しみにしていた。その期待を裏切らない、文句なしに格好良いSHOW。『♪俺の話…なんて聞かなくていいから次行くぞっ』眠気なんてどこへやら、だったのだ。
夜明けの気配も見えそうなころ、個人的にラスト(失礼)、くるりである。PAをメンバ自身で行い、あっさりそのままライブスタート。それがなんともくるりらしい。最初の音で一気にSUNSTAGEはくるりの空気に包まれる。あの時間に相応しい極上の心地よさ。ステージの上をうろつきまわるシゲさんを見た時、僕は突然凄く安心した。くるりは大丈夫だ。そしてくるりが大丈夫な間は僕も大丈夫だ、と。なんてことを考えていたら僕の大好きな『ばらの花』である。不覚にも涙が出た。凄いぞ、くるり
気付けば曇り空ではあったけれどいよいよ朝、本当のラスト斉藤和義である。が、ごはんごはん。RSRは屋台の食事も楽しい。すっかり明るくなってから、最後の2曲ほど聴きに行く。
『♪今日はおうちへ帰ろう』

というわけで撤収開始。
テント2つを11人で一気に片付ける。毎年のことである、皆手際はとても良い。なんと周りのどこよりも早く撤収準備完了。W・K・Kさんと奥様W・Mさんには毎年感謝感謝です。
最後に記念撮影を終えれば、とうとうRSRは終了。振り返ってみればあっという間で、今年も来て良かった、と思えるのは毎年のことだ。秋の気配を感じながら、会場と仲間達に別れを告げる。
ありがとう、さようなら。そしてまた来年石狩で会いましょう。